微睡みは赤口によって
曇天の下 意図した過失
災厄は咲き
包帯を巻き散華してゆく
愉しみ嗜む退屈は 編み上げ靴を交差させゆく
綴る血の膜
断たれた蠢き
暗澹な悪意を供に 頬杖は嘯く
骨董としての痴情
怪異に撃たれた頭蓋
屈折した斜視の麗しさ
紅の暮れゆく病に恥じることは
蟷螂の檻
遊戯夢見て幻影は続く
飲み干す様に跪け
策という毛髪に 頭を垂れて進み行け
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機械仕掛けの蟻塚に
犇めき告げる色情は 油の染みた螺子の螺子
紺碧の知性の膿んだ大地に
絡み合いながらも求めあう 視線の弦
爬虫達の昂る声が 沁み込んでくるような摩擦において
吹き上がる 歯車の白昼夢
血生臭い蒸気機関へ跨り
両極を寝所にして 呼吸と汗を導いてゆく
祈りという粘液を漏らしながら
流れる葉脈の水音を 耳元で囁き
呪術としての狂気を謀り
奇形の思想を臣下とする
星の絡繰り見世物小屋
突き刺さる熱は 苦痛としての蟲の蟲
震える儀式は 御された妄念
酔い痴れた魔物の本能の為に
継がれてゆく 造られた夜へ
躊躇うことはないだろう
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融点46℃