l'Histoire de Juliette ou les Prospérités du vice・Justine ou les Malheurs de la Vertu
サド侯爵 (Marquis de Sade) が1787年に著した小説をモチーフに致しました。
”サディズム”という言葉の由来になったほどの作家の小説ですから、ムチがイメージされると思うのですが、そんなもんじゃすまないぐらいひどい描写が延々続く小説です。
Juliette
パンテモンの修道院で暮らす13歳のジュリエットこと〈あたし〉は、デルベーヌ夫人という院長からひそかに性の手ほどきを受け、どんどん悪徳の道を突き進んでいくこととなったのでした。
父が破産し、両親を失って修道院を追い出されてからは、清く正しく生きたいと思う妹ジュスティーヌと袂を分かち、迷うことなく水商売の世界へ飛び込んでいった〈あたし〉。
”初物”を売り物にして荒稼ぎしていた〈あたし〉は、やがてその悪党ぶりを見込まれ、ノアルスイユというお金持ちに目をかけられるようになりました。
実は、このノアルスイユこそ、〈あたし〉の父を破産させ、死に追いやった張本人だったのですが、それを知ってもなお〈あたし〉は悪徳を重んじるノアルスイユに惹かれていきます。
「ああ、そんなことあたしに何の関係があるのでしょう? あたしはすべてを感動によって判断します。あなたの兇行の犠牲となったあたしの家族は、あたしに何の感動も生ぜしめてはくれませんでした。けれどあなたがあたしにしてくれたあの犯罪の告白は、あたしを熱狂させ、何とお伝えしていいか分らないほどな興奮の中へ、あたしを投げこんでくれました」(上巻、58ページ)
ノアルスイユを通して、サン・フォン氏という権力を牛耳る大臣と知り合いになった〈あたし〉はどんどん悪徳を吸収し、ノアルスイユに飽きられたノアルスイユ夫人の殺害に嬉々として参加します。
みんなでよってたかってノアルスイユ夫人をムチで叩き、痛めつけ、辱めた後、アルコールをかけて焼いて殺してしまったのでした。その恐るべき行動の中で、〈あたし〉たちは興奮を感じていたのです。
誰も思いつかないような残酷な殺害計画を思いつく〈あたし〉はやがて、サン・フォン氏からも気に入られ、可愛がられるようになっていったのでした。
ある時〈あたし〉は、ただ快楽のためだけに道端でピストルをぶっ放し、可哀想な女性を殺してしまったのですが、サン・フォン氏の口聞きですぐさま警察から解放されます。
サン・フォン氏は、下層階級の人間は上流階級の人間とはまったく別の存在であり、力のない者は力のある者に好き勝手にされて当然だと思っているので、〈あたし〉の行動をかえって面白がったのでした。
要するに下層階級の人間というのは、森の猿より一段上にいる種族に過ぎないのだ。この猿から下層階級までの隔たりは、下層階級から上流階級までの隔たりと、まったく等しいのだ。元来、あらゆる生物にきびしい段階を設けている自然が、人間のあいだにだけ、この段階を無視したとしたら、かえってふしぎではなかろうか?
(上巻、180ページ)
やがて18歳になった〈あたし〉は、ノアルスイユ、サン・フォン氏に次ぐ、3人目の悪徳の師匠とも言うべき、大柄で美しい未亡人、クレアウィル夫人と出会います。
女を愛し、気に入った男は殺さなければ気がすまないクレアウィル夫人と愛しあい、親しくなり、ついに「犯罪友の会」に誘ってもらったのでした。
あたしがメンバーになっている会では、もっと凄い淫猥な暴力沙汰が行われているのだけれど、あなたをそこの会員に迎え入れてあげましょう。その会では、夫はすべてその妻を、兄はすべてその妹を、父はすべてその娘を、独身者はすべてその女友達を、恋されている男はすべてその情婦を、連れて来なければならないのよ。大きな広間に集まって、めいめいがもっとも気に入ったことをして楽しむのだけれど、各自の欲望以外には何の規則もなく、各自の想像力以外には何の束縛もないわ。外道に走れば走るほど、あたしたちは称讃に値する人物となるのよ。(上巻、161ページ)
「犯罪友の会」の会員として認められた〈あたし〉は、いとも簡単に残虐な行為が行われる、そのおぞましい会合でも、愉快に悪徳の道を楽しみます。
そんな欲望と退廃に満ちた暮らしが続いていき、〈あたし〉が22歳になった時のこと。サン・フォン氏が恐ろしい計画を〈あたし〉に打ち明けました。
フランスには人口が多すぎるから、穀物を買い占めて、国民の三分の二を餓死させたら面白かろうというのです。
悪徳を愛する〈あたし〉でも、それを聞くとさすがにぞっと震えあがってしまいました。サン・フォン氏は、そんな〈あたし〉の様子を見て、何も言わずに帰って行きます。
やがて、ノアルスイユからメモが届きました。〈あたし〉が心の中の美徳を覗かせてしまい、サン・フォン氏の寵愛を失ってしまったから、逃げた方がいいと言うのです。
おれの教育した女が、魂の弱味をさらけ出そうとは、思いもよらなかった……今まであんなに見事に行動していた女が……今さらおまえの優柔不断をつぐなおうたって、それは無駄だ。大臣はもうけっしておまえを甘やかしてはくれまい。ほんの一寸した心の弱さがおまえの命取りになったのだ。この上は、手紙を受け取り次第、一刻も早くパリを離れるがよい。(上巻、299ページ)
サン・フォン氏の元から逃げ出した〈あたし〉は、身をひそめている時に出会ったロルサンジュ伯爵と結婚し、頃合いを見計らって毒殺した後、イタリアへ渡って・・・。
はたして、悪徳の道を突き進み続ける〈あたし〉を待ち受けている、思いがけない出来事とはいかに・・・・・。
ビビッドピンク、フレンチパープルにシルバーの革にブラックのレース加工を施してる鞭です。
ハンドル部分のパープルの編み目に両側3発づつ、ゴールド枠のクリアジェム(キラキラ)スタッズが付いて居ります。
グリップエンドはパープルベースにゴールドのチェーンが巻き付いており、中心部分にはキラキラと揺れ動くストーンのチャームが付いております。
テール部分にもグリップと同じスタッズが3つ×3(9個)付けてあります。
先端はリボンカットです。
本体とテールの間には本体部分に使用したものと同じレースを使ってリボンになっております。
全長・80cm
キーホルダー部分・5cm
本体・4pt 60cm
テール・3pt 15cm
コチラの鞭は若干グリップが細めで、革もしなやかで振り心地は軽めです、が
先端にスタッズが付いておりますので金属の痛みがプラスされます。
サドの代表作として語られることが多いのは、何と言ってもジュリエットという娘が、売春宿など、裏の世界でいきいきと生きていく姿を選んだ『悪徳の栄え』です。
しかし、このジュリエットの物語は実は続編であり、前編にあたり、対になる妹ジュスティーヌの物語があるんですね。
姉妹であるジュリエットとジュスティーヌは、裕福な商人の元に生まれ、由緒正しい修道院で何不自由なく暮らしていました。
ところが、父親が破産して行方不明になり、母親が亡くなると、わずかなお金をもらって修道院を追い出されてしまったのです。
早々と自分の美しさと肉体を武器に、悪徳の道へと足を踏み入れていった姉のジュリエットとは対照的に、神を信じる妹のジュスティーヌは美徳を重んじ、清く正しく生きていこうと心に決めました。
ところが、美徳は報われると信じ続けるジュスティーヌの思いは裏切られ、心根の悪い人々から次から次へと痛めつけられ、ひどい目にあわされ続けることとなって・・・。
純粋無垢な妹ジュスティーヌの物語と、自ら進んで悪徳にふける姉ジュリエットの物語が対になることによって、美徳と悪徳が対比的に描かれる、そういう一連の作品になっているんですね。
ジュリエットの物語は『悪徳の栄え』ですが、ジュスティーヌの物語はやや複雑な事情があって、3つのバージョンが残されています。
まず、バスティーユの牢獄に入れられていた時に書かれ、サドの死後に発見されて発表されたのが、「原ジュスティーヌ」とも言われる中編『美徳の不幸』("Les Infortunes de la vertu")です。
Justine
「婀娜っぽい美徳と、おびただしい不行跡と悪辣手段によって富をきずいた」(12ページ)ロルサンジュ伯爵夫人。
ジュリエットと名乗っていた15歳の時に、裕福な商人だった父が破産し、百エキュをもらうと修道院から出されてしまったのでした。
ジュリエットには、12歳の妹ジュスティーヌがいましたが、なんとかしてのし上がって貴婦人になってやろうと思うジュリエットと、清く正しく謙虚に生きたいと願うジュスティーヌとは馬があいません。
そこで姉妹は別れ、別々の道を歩むこととなったのでした。
売春婦になったジュリエットはめきめきと頭角を現し、思わぬ幸運から、ついにロルサンジュ伯爵夫人の地位を手に入れます。
ある時、ロルサンジュ伯爵夫人が気晴らしに駅馬車のお客を眺めていると、26、7歳ほどの娘が目に止まりました。
その娘は窃盗、殺人、放火など、3つか4つの重い罪で訴えられていると憲兵は言いました。どうやら、まもなく処刑されることが決まっているようです。
とてもそんな残虐な罪を犯しそうにないやさしげなその娘の様子が気にかかったロルサンジュ伯爵夫人は、一体どんなことをしたのかとその女囚に問いかけたのでした。
女囚はソフィーと名乗り、自分の人生の起こった思いがけない出来事を話し始めます。幼くして身よりを失ったこと。奉公した先が悪人の家で、盗みの手伝いを拒んだら罪を着せられてしまったこと。
牢屋に入れられてしまったソフィーこと〈あたし〉でしたが、大切な信仰が胸の中にあるので、いつでも幸福でいられます。
あたしの身内には、幸いなことに、けっしてあたしを見棄てることのない信仰心というものがございます。もし神があたしの人生行路を苦難に充たしめたもうならば、それはよりよい世界でこのあたしをさらに手厚くつぐなわんがためでございましょう。こう考えれば、あたしの悲しみは慰撫され、あたしの嘆きは癒やされます。(44ページ)
やがて、死刑が決まっている同じ牢屋の囚人の脱獄計画に巻き込まれて、〈あたし〉は再び外の世界へ出ることとなったのでした。
それからも正しい行いをしようとする〈あたし〉ですが、ムチで叩かれ、両足の指を1本ずつ切り取られ、奥歯を1本ずつ抜かれ、肩のうしろに烙印を押されるなど、次々とひどい目にあわされます。
それでも何とか純潔だけは守り切り、ようやく森の修道院サント・マリーにたどり着きました。
ここで穏やかな暮らしを送ろうと思った〈あたし〉でしたが、身寄りがなく、誰も〈あたし〉がここに来たことを知らないと分かると、神父の目の色が変わりました。
神父に連れて行かれた部屋に入った〈あたし〉は驚きました。3人の神父と3人の娘が、みだらな格好をして座っていたからです。
なんとその修道院は、美しい娘たちをさらって来ては閉じ込め、肉の宴をする恐ろしい場所だったのです。自分の恐ろしい運命に嘆き悲しむ〈あたし〉を先輩の娘が慰めてくれました。
「はじめのころは、あたしもあんたみたいに泣いたもんだわ。でも今じゃ、馴れっこになっちゃった。あんたも今にそうなるわ。それに、最初はとくにこわいのよ、なにしろあたしたちを責め苛むあの極道者の果知れぬ欲望を一生満たしつづけなければならず、そればかりか、このけがらわしい棲家で自由は奪われ、ずいぶん手荒なあつかいを受けつづけなければならないかと思うと……でもね、後に来た者が苦しんでるのを見ると、自分の不幸を少し忘れるわ」(121ページ)
それからと言うもの、サディスティックな性的嗜好を持つ神父たちの思うがままに弄ばれる、〈あたし〉の地獄の日々が始まって・・・。
「ジェローム神父の物語」
馬車でトリエント付近を通りかかり、森の中で泣き声を聞いたジェローム神父こと〈おれ〉。
そこでは、家を追い出された15、6歳ほどの美少女が途方に暮れて泣いていたのです。娘は、自分の恋人はお金持ちだから、その人を探して呼んで来てくれと頼みました。
青年にお金を持たせて連れて来た〈おれ〉は、ピストルを突きつけてこう言います。
「見ず知らずの相手に、自分の女と金とを二つながら手渡してしまうとは、おまえさんも、ずいぶん馬鹿なことをしたものじゃないか」(233ページ)と。
青年を殺し、娘を散々慰み者にした〈おれ〉は、それからも至る所で極悪非道な振る舞いを続けていきます。中でもひどいのは、ある姉妹を監禁して行ったこと。
棘のある鎖帷子を着せ、姉妹の間に豪華な料理を置いたんですね。空腹のあまりどちらかがその料理に手を伸ばすと、姉妹両方に4000個以上の棘が突き刺さるという、そういう恐ろしい仕掛けなのです。
やがて〈おれ〉は自分と同じように、残虐な性的嗜好を持つ仲間の神父たちと出会って・・・。
とまあそんな2編が収録されています。「ジェローム神父の物語」は、ジュスティーヌの物語の3つ目のバージョンから、一部分を訳したものだそうです。
「美徳の不幸」も肉体的に痛めつけられるという点で、それなりに過激ですが、「ジェローム神父の物語」はまあひどいです。もう完全にサイコキラーですからね。ただただ恐ろしかったです。
「美徳の不幸」は、みなさんあまり読んだことのないタイプの作品なのではないかと思います。
たとえば、グリム童話の「白雪姫」やチャールズ・ディケンズの『オリバー・ツイスト』を思い浮かべてみてください。
普通の物語というのは、どんなに辛い目にあっても、心の正しい者がいつか報われるというものですよね。正義は勝つという。ところが、どうやら「美徳の不幸」は、そういう物語ではなさそうなのです。
物語の中で、ある悪女がジュスティーヌにこんな言葉をかけます。
もしも完全に道徳的な世の中だったとしたら、あたしもあんたに美徳を積むことを奨めるわ、そういう世の中ならきっといい報いがあることでしょうし、まちがいなく幸福が約束されることでしょうから。でも、完全に腐敗した世の中だったとしたら、あたしは絶対に悪徳しか奨めないわ。だって、みんなと同じ道につかない者は、どうしたって滅びるしかない、出遭う者すべてと衝突するしかない、そしてもしその人が力の弱い人ならば、どうしたって踏みつぶされてしまうよりほかないんですもの。(186ページ)
グランギニョルブルー、マットブラック、シルバーにブラックのレース加工を施しております。
姉妹ですので同じレースを使用致しました。
フリップ部分にはブラックのパイソンスキン(蛇革)を使用し、両端にシルバーのチェーンをあしらい、衷心部分にはスワロフスキーのクリスタルのスタッズが付いております。
テール部分はシャープに斜めカットしており、先端にいくにつれ衝撃が定まり易くしました。
ヒュンと風を切る様な振り心地です。
全長・85cm
キーホルダー部分・5cm
本体・4pt 60cm
テール・3pt 20cm
ジュリエットよりも太めで重い鞭です。グリップ部分からの重さの伝わりと革の厚さでかなりの痛みを発生させる鞭です。全力で振り抜くと・・・・めっちゃ痛いです。
余談ですが、振り心地テストは革製の椅子等を使いますが痛みの度合いを測る時、短鞭は自分の脛を使うのですが10がMAXの力だとして1~2位の衝撃でもめっちゃ痛かったです。
自分で作っておいてアレですがこれで打たれるのマジで嫌な位痛かったです。
長くて細い鞭は刃物で切られる様な感じだと思いますが、短くて重い鞭は打撃って感じです。
此処くらいまで先程ブログを書いていたらウッカリ消えてしまいましてな・・・心折れんばかりのリテイクなので後日加筆するかもしれません。
立宮氏AZS!
コチラの作品は、ONLINESHOPでの販売予定です。予約受付可能です。
╭( ・ㅂ・)وノ⌒゚~
MAD