神秘の事故、天の誤算、
僕がそれを利用したのは事実だ。
それが僕の詩の全部だ、つまり僕は
不可視(君らにとっての不可視)を敷写(しきうつし)するわけだ。
「詩人の血」は全部で4話で構成される。
冒頭に現れるのは仮面をつけたコクトー自身。「詩はすべて紋章。故に詩人の血と涙の解読が必要である。」という字幕。巨大な工場の煙突が倒れてくる。
第1話「傷ついた手、あるいは詩人の傷跡」。主人公は若い男(エンリケ・リベロ)。絵を描いているところを見ると画家であろうか。いや、タイトルにある「詩人」というのが彼のことである。そこで詩人でもあれば絵も描くコクトー自身が彷彿される。詩人は上半身裸でキャンパスに一つの顔を描いている。すると、描かれた口が動き出す。詩人はそれを手でこすって消すが、その口は彼の手のひらに移っている。詩人は自らの口を手で覆い、体中を撫で回す。彼の手には例の口がついているわけであるから、何ともエロティック。口は女の声で「空気を!」と喋るから、当然女のものだと考えられるのだが、コクトー自身はホモセクシャルであったことを思うに、案外男の口なのかもしれない。そう言えば、キャンバスに描かれた顔は詩人にそっくりである。翌朝、詩人は彫像の口を手で拭う。すると、手のひらの口は彫像の口となる。
第2話「壁に耳あり」。目を覚ました彫像(リー・ミラー)は、詩人に鏡の中に入るよう促す。彼は意を決して鏡の中に飛び込む。鏡は水を張ったプールと化している。鏡の向こうはホテルの廊下。詩人は並ぶドアの鍵穴から次々と中を覗き込む。ある部屋ではメキシコ人が射殺され、またある部屋では幼い少女が空中浮揚の訓練をしている。廊下の端から女が手だけを出して彼にピストルを渡す。彼が自分のこめかみを撃つと、彼の頭の上にはヒイラギの冠が現れ、流れ出た血は古代ギリシアの衣服となる。「ウンザリだ。」怒った詩人は部屋に戻ると、ハンマーで彫像を粉々に壊す。詩人は彫像と化す。
第3話「雪合戦」。階段前の広場で子供たちが雪合戦をしている。少年ダルジュロスの投げた雪球が、一人の少年に命中。少年はそのまま倒れてしまう。
第4話「聖体のパンを汚す」。倒れた少年の横にテーブルが置かれ、男女がトランプに興じている。二人は先程の詩人と彫像である。さらにそんな二人のことをバルコニーから紳士淑女が眺めている。詩人はハートのエースが無いと勝負に勝てない。そこで、倒れた少年の懐からハートのエースを取り出す。少年のハート(心臓)を掠め取ったということなのだろう。だが、そこに現れた黒人の守護天使(フェラル・ベンガ)が、少年のハートを奪ってしまう。勝負に負けた詩人はピストルで自殺。女は再び彫像の姿に戻り、牡牛を連れて去っていく。牡牛はいつしか竪琴に変わっている。死んだように横たわる彫像。
最初に出てきた煙突が完全に崩れ落ちて映画は終わる。
「私は、目に見える自分の血と目に見えない血によってこの映画をつくりました。」
本革に血の様にドリップ加工をした鞭です。
全長・90cm
キーパーツ・アンティーク 5cm
本体・4pt 50cm
テール・35cm
装飾・目玉×3 血ドリップ
種類・一本鞭 短鞭
三種類の眼を作り埋め込みました。
目は立体的になっております。ハンドルを握る部分より下に付けてあります。
全て表情が違います。
私の人生は興味本位に語れる代物ではなく、
慣習や他者、己れ自身との長き闘いであり、
無意識と意識、無秩序と厳格さのせめぎ合いだ。
私の人生とは、言うなれば18世紀にはやった影絵のようなものだ。
……我々は皆 謎の中に生きている。
Art produces ugly things which frequently become more beautiful with time. Fashion, on the other hand, produces beautiful things which always become ugly with time.
Art is a marriage of the conscious and the unconscious.